電源ユニットの音質比較
今回は、PCオーディオに使用出来そうな高品質電源ユニットと、一般的なATX電源ユニット、音質にこだわったリニア電源を音質比較しました。またサウンドカードのみリニア電源供給など、電源ユニットを組み合わせての音質比較も実験してみました。
電源ユニットの大まかな仕様は下記の表にまとめています。
外観 | 機種 | 仕様 |
---|---|---|
メーカー:antec 型番:MT-350 | 出力:350W 規格:SFX | |
メーカー:ニプロン 型番:PCLF-180P-X2S | 出力:Peak180W 規格:独自規格 | |
メーカー:自作 型番:Rコア・リニア電源 | 出力:Peak100W 規格:自作 | |
今回の実験では電源を下記の4箇所へ供給しています。
- マザーボードの24Pinコネクタ(12V・5V・3.3V)
- マザーボード上の4ピンコネクタ(CPU12V)
- SSD(5V)
- サウンドカード(PCI-E 12V・3.3V)
一番良い「1」~一番悪い「10」までで、相対評価しています。結果を以下の表にまとめました。
それぞれの供給箇所へどの電源で供給したか、そして音質の評価を右端に記入しています。
マザーボードの電源 | CPUの電源 | SSDの電源 | サウンドカードの電源 | 音質評価 |
---|---|---|---|---|
自作リニア | 自作リニア | 自作リニア | 自作リニア | 1 |
自作リニア | PCLF-180P-X2S | 自作リニア | 自作リニア | 1.2 |
自作リニア | PCLF-180P-X2S | PCLF-180P-X2S | 自作リニア | 1.5 |
PCLF-180P-X2S | PCLF-180P-X2S | PCLF-180P-X2S | 自作リニア | 2.8 |
PCLF-180P-X2S | PCLF-180P-X2S | PCLF-180P-X2S | PCLF-180P-X2S | 3.5 |
MT-350 | MT-350 | MT-350 | 自作リニア | 10 |
MT-350 | MT-350 | MT-350 | MT-350 | 10 |
まとめ
結果としては、リニア電源でPCオーディオを動作させる事が一番音質とって良い結果となりました。ただし、CPUとSSDの電源のみを、高品質なスイッチング電源で動作させても、ほとんど音質の変化は無く、マザーボードとサウンドカードの電源をスイッチング電源にすると、若干音質が低下してきます。
そして、低品質の電源を使用するとかなり音質が劣化して、音質に一番影響のあるサウンドカードにリニア電源から電気を供給してもほとんど音質が改善されない結果になりました。おそらく通信のラインからノイズの影響を受けていると思われます。
USB接続のオーディオインターフェースでも同じ影響が考えられるので、高音質オーディオインターフェースを台無しにしない為にも、電源ユニットは十分に比較検討する必要がありそうです。
上の表を見れば分かりますが、リニア電源と高品質なスイッチング電源の音質の差よりも、品質の悪い電源(普通の電源)と産業用グレードのスイッチング電源を比較した時のほうがはるかに音質の差がありました。リニア電源は効率が悪くて発熱が大きくて、また自作するにはかなりの苦労をするので、産業用グレードの電源をPCオーディオに使用することは良い考えだと思います。発熱も少なくなります。
やはりオーディオ用PCは電源がかなり重要な事が分かりました。SSDやHDDの音質比較が本当に意味が無いと思えるぐらいに電源ユニットの音質差は大きいので、最低でも産業用グレードのPC電源をおすすめします